この時期のヴェネツィアは寒いながらも、カーニバルで賑わいます。島の中には華やかな衣装をまとい、仮面をつけた人々が大勢集まります。世界三大カーニバルのひとつに数えられ、始まったのは11世紀と言われており、期間中には300万人もの人々がヴェネツィアを訪問するそうです。
16~18世紀にイタリアで流行したコンメディア・デッラルテの道化役者たちの衣装は、ヴェネツィアのカーニバルで現在人々が仮想する際のコスチュームにもなっています。「アルレッキーノ」(ハーレクインもしくはアルルカンとも呼ばれる)の黒い仮面やダイヤ柄のカラフルな衣装、アルレッキーノの恋人「コロンビーナ」のドレスに見られるフリルやリボン使い、その他ドミノマントやケープはロベルタ ディ カメリーノのコレクションにも多くの影響を与えています。創業者のジュリアーナは、ロベルタ ディ カメリーノの新作発表のプレゼンテーションなどでもヴェネツィアンマスクをつけた演出をしています。【写真はそのショーで使用した仮面:アルレッキーノ(右:黒)・プルチネッラ(左)、いずれもコンメディア・デッラルテの道化役者】
少女のころから仮面舞踏会が大好きだったジュリアーナは、自伝の中でこんなことを述べています。「仮面舞踏は私の小さい頃の最大の愉しみだった。仮装すると、別人になったようでちょっと嬉しかった。(中略)衣装は私を自由にした。」(ジュリアーナ・カメリーノ自伝「Come Roberta」より)かつてジュリアーナとヴェネツィアで一緒に夕食を囲みこんなお土産をもらいました。仮面はコロンビーナ。わが社に大切に保管しています。
春本番を直前に装いを替えることで、ご自分を自由にしてみてはいかがでしょうか。