2021年がスタートしました。
新年にちなみ、今回は日本のファッション文化である和装とロベルタ ディ カメリーノの関わりについてお話したいと思います。
ロベルタ ディ カメリーノの着物
創業者のジュリアーナ・カメリーノは、日本との取引を始めた時から常に日本のモノづくりやクラフトマンシップに興味と敬意を持ち続けていました。
「私は、常に日本に興味を持っていました。それは同じ服飾・美を創りだす作業にたずさわりながらもイタリアとは違う独特の文化・感性・技で美しいものを生み出していることへの興味です。日本の意匠であるきものづくりに目と心で触れて、きものが着る人本来の美しさ・内面の美しさまでも引き出す装いであることを学びました。そこには、私の求めているモノづくりの姿勢がありました。日本の装いの美とイタリアの装いの美には、同じ精神が息づいていると強く感じています。」
これは、1997年に日本で「着物」のライセンス展開をスタートさせた時の彼女の言葉です。
トロンプルイユ(だまし絵)のパネルドレスをそのまま着物にデザインしたり、スカーフそのものを帯揚げや半襟に使うなど、ロベルタ ディ カメリーノ独自のセンスを活かしたコレクションとなり、当時のファッションショーでは、彼女自身が振袖をまといました。


日本の伝統技術「西陣織」とのコラボレーション
ロベルタ ディ カメリーノの70周年を記念し、2015年には京都・西陣織の老舗である「龍村美術織物」と日本で最初の婦人誌であり創刊110周年を迎えた「婦人画報」とのコラボレーションによるバゴンギが作られました。
ジュリアーナが、以前西陣織の帯の工房を見学した際に「ヴェネツィアの手織りのベルベットとまったく同じ技術だわ!」と頬を紅潮させてその機織り技術に目を凝らしていたことを思い起こします。


着物とバッグ
ジュリアーナの言葉の通りイタリアと日本のファッションには、多くの共通点を見出すことができます。イタリア生まれのロベルタ ディ カメリーノの手織りのベルベットのバッグと着物が呼応するのは、なんの不思議もないことなのです。
着物とバッグのコーディネイトはけして難しくなく、洋服よりも自由なコーディネイトが可能かもしれません。この季節こそ、ぜひお手持ちの着物や帯に合わせて楽しんでみてはいかがでしょうか。

