ジュリアーナにはヴェネツィアとルガーノそしてモンテカルロやリオデジャネイロにも家やオフィスがありましたが、愛船であるGIADA号も大切な彼女の「場所」でした。
ヴェネツィアに生まれ育った彼女にとって、「大好きな海で過ごすこと」がクリエイションの源でした。
海とGIADA号とジュリアーナ
年のうち5ヶ月間を過ごしたのが、このGIADA号です。
ジュリアーナGiulianaと彼女の夫であるアダルベルトAdalberto氏の名前から付けられた素敵な名前を持った全長26mのクルーザーです。クロアチアの軍艦の払い下げを改装したもので、クルーもクロアチア人が4名常駐していました。春から夏の間はこの船に乗りアドリア海や地中海に旅に出ました。海で泳いだりフィッシングをして魚料理を堪能したり、寄港地で停泊し友達と過ごしたり、穏やかな海の上で美しい景色や色を愛でながらロベルタ ディ カメリーノのデザインを生み出していたのです。
「私の生活のすべてはクリエイティブな発想につながっています。すべての事柄からアイデアが生まれるのです。海には自由があり、エネルギーが湧いてくるのです。」とジュリアーナは語っています。
GIADA号にはインターネットのない時代から衛星FAXが完備されており、どんな時も日本からの仕事のFAXには最短で返事がきたものです。夏のバカンスで長い休みに入ると、ON/OFFがはっきりしているイタリア人は仕事をしないひともいるのですが、ジュリアーナのロベルタ ディ カメリーノに対する窓はいつも開かれていました。新人だった筆者は、とても感動したものです。
Giada Roberta di Camerinoブランドの誕生
2010年3月にルガーノでジュリアーナに会ったときに、足を少し悪くしていた彼女が言いました。「少し寒かったけれど元気になりたくて先日GIADA号に乗ったのよ。海に出て海の空気を吸い込んだらね、足が動くようになったのよ!ねぇ不思議でしょう!!少し早いけれど、また4月になったら海に出るわ。そうしたらもっと元気になるから。」と彼女は頬を紅潮させて話してくれました。
日本での新しいプロジェクト【インターネット販売】について説明をした時でした。
その後、海に出たジュリアーナは、2010年5月GIADA号の上で永遠の眠りにつきました。
その訃報を受けた私たちは、プロジェクトのブランドネームを“Giada Roberta di Camerino”とすることに決めたのです。
ジュリアーナの旅
2011年にスタートしたWEB限定ブランドの“Giada Roberta di Camerino”が、今年10周年を迎えます。アニバーサリーの作品を1年を通じて発表してまいります。
https://giada-robertadicamerino.jp/c/item/362-R20333
ジュリアーナの旅 G’s Viaggio は、これからも続きます。